歴史研究と普及
『歴史書通信』241に掲載された、渡邉大門「市民・行政と歴史研究」を読む。なかなか示唆的である。
おもしろい結論、刺激的な結論ばかりが喜ばれるのが世の中。そうではない「地味な」研究は敬遠されがち。一般書を出す出版社も同様の反応がある
歴史で刊行を呼び込むことの功罪。
世界遺産登録を目指す自治体は多いが、増えれば増えるほど希少性が減る。また時間と共に観光客は減少し、持続性がない。研究が大きく進むというメリットもある一方で、主人公の負の側面を指摘できず美化せざるをえない状況。ただしい歴史認識が伝えにくい。
このように世間一般の歴史認識と研究者との間に大きな乖離があるのも事実。でもそれが最大限に問題になるのは、戦国武将、幕末など、一般の方々に歴史イメージが明確な場合。そうではない他の時代には、まずはそのイメージすらないこともある。
歴史の魅力を発信することの問題は、画一的ではないかも知れない。
アウトプットしてみる
いよいよ会社始めである。出す本が沢山ある。乗り切らねばならない。
思えば、12/28からの冬休みはなんと9日間。長いが、暇さえあれば仕事をしていたので、正月ボケはない。
中でも、4月刊行の本の付録に入れる年表作成は大変だった。おそらく、入力だけで48時間くらいかかってるのではないか。
休み期間、さまざまな実用書を買って読んだ。
●『アウトプット大全』
蔦屋書店の売り上げランキング9位にあり購入。以前からアウトプットこそ最善の記憶定着となることは認識していなかったが、なかなか実現できずにいた。
この本を読んで、一般的にインプット過多な人が多く、インプット情報を減らしてでもアウトプットをやるべきことを提唱する。アウトプットの実際は、最後にまとめがあるが、その1つが日記を書くというもの。この日記はその実践である。
言ってしまえば、あらゆるビジネス書のエッセンスをまとめた事典風読み物と言える本書だが、得られるものは多い。以下、実践を目指すことだ。
●ブログ日記を書いてみる
●健康状況を書く
●7時間の睡眠を確保する
●笑顔で過ごす
昨晩は10時就寝、6時起床。目覚めよし。昨晩の疲れがとれたようだ。
朝ごはんはご飯、納豆、豚汁。ネコのたけちんも元気だ。寒いのか、膝の上に乗ってくるのがいつもより強引。
本を捨てる整理術はないということがわかった
整理が苦手である。
いろいろと整理の達人とよばれる人の著書を読んではマネをする。
なかなかうまくはいかない。
- 作者: ボナ植木
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2003/01
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ありました。
クリアファイル整理術。
二つのクリアファイルを組み合わせて、表面にマジックで整理番号。
それをPCで管理するというもの。
これはやってみましょう。
でもこの書名みたいに、書斎がいらない、というのは無理でした。
いりますよ。私には。
あれをこえるどんでん返しはあったのか
- 作者: 乾くるみ
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2010/09/30
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ある程度、オチが読めたし。(全部はわからんかったケド)
あれとは、乾くるみの衝撃作の、あれである。
- 作者: 乾 くるみ
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2007/04/10
- メディア: 文庫
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この衝撃作があったから、どこに伏線があんねんと、いろいろと詮索しながら読む自分がいる。
おそらく、他の読者も同じなんだろうな。
文体は、よくいえば淡々と、悪く言えば相変わらずの安っぽい恋愛小説のようにもとれる。オチがなければ。
やはり、イニシエーション・ラブをこえるのは難しいんだろうな。
試練の映画
- 出版社/メーカー: ギャガ・コミュニケーションズ
- 発売日: 2007/11/02
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一発の銃弾がつぎつぎと人の運命を変えていく。。。
人生はささやかなきっかけで、怒涛のように変化していく。
映画であれば、「わかりやすい」連鎖が見られ、それが短い時間で書き分けられる。「こんなことあるわけないじゃん」と片付ける人もいるだろう。
しかし、本当にそういいきれるのだろうか。
私が妻と知り合ったのも、今の職場にアルバイトに行ったため。それは大学の先生の紹介だった。
「運命」という言葉で置き換えられるこうした偶然も、映画「バベル」で出てくるさまざまな事象は、そんな簡単なことでは片付けられないだろう。
そうした運命を人はどうやって乗り越えていくのか。試練の映画。私はそのように観た。
明日はわが身?
- 作者: 垣根涼介
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2007/10/01
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大不況の風が吹き荒れる。
新聞ではほとんどいいことが書かれていない。
金、金、金。
日航の再建、小沢の政治基金問題。まったく暗い話ばかり。
これでは若者に希望を持てといわれても、土台無理な話だ。
わたしもしがないサラリーマン。
斜陽産業といっていいだろう、出版社に勤めている。
業界自体、年々売り上げは減少するが、わが社は何とか横ばいでやっている。
でも、自分の編集部門はそううまくはいかない。
先日、他部署の人が辞職勧告をされた。
といっても、日本の労働基準法では、辞職勧告は違法である。
辞職願を出させたようだが、実態は勧告である。
理由にはいろいろとあったようだが、なにぶん経営者からの言い分と、雇用者の言い分とには乖離がある。立場が違うから当然だ。
「自分には無関係。終身雇用万歳」
世の中が大きく動き、知人などでもリストラ、倒産などが現実となっていながら、やはり他人事のように感じていたが、同じ社内となれば話は別だ。
そうした昨今、本書を読んだ。
リストラ屋。「解説」にもかかれているが、実際そのような職業があるのかどうか、しらない。
ただ、経営者が眼前の「いやなこと」をそむけ、アウトソーシングしてしまう。
現代ではいかにもありそーではある。
大活字、改行だらけと、昨今の風潮にのるスタイルだから、読み進むのは軽快だ。実際、文体も軽いから、あっというまに読み終わってしまった。
昨今、文学の力が損なわれているといわれている。
しかし、小説をとおして、疑似体験できるということ。いろいろと自分の人生を考えさせるということ。
文学の力というか、小説の力を感じた。
一方、なんで小説を読んでまでリストラのことかんがえなくちゃならんのか、考えるのはシンドイじゃん。という気持ちもある。
しかし、現実と向き合うこと。
このことこそ、自分自身が成長し、強く生きていくのに必要なことなのだろう。
たかが小説、されど小説。
今後。自分がどんな本を読むべきか、考えさせる一冊だった。
読んだ本 ブックセンターイトウに売っちゃった
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