ひさしぶりの「新本格派」は???だめでした

時計館の殺人 (講談社ノベルス)

時計館の殺人 (講談社ノベルス)

【以下、ネタバレあります】

閉ざされた館に、つぎつぎと繰り広げられる殺人。果たして犯人は???

まぁ、現実にはありえない設定なわけだが、だからこそ虚構と安心して読める。ゆえに、わたしは好きだ、このスタイル。

なかでも、綾辻行人はわりとハズレがないほうかもしれない。

でも、本書はだめでしょ。

まず、意外性が弱い。犯人は館に使える女中なのだが、あるはずのアリバイを、時計を50分すすめるということでクリアする。ゆえに「時計館」。着想をおもいついた作家のにやりがみえてきそうだが、こっちはちっともにやりじゃないね。

そしてなにより、結末。時計館がずたずたにくずれおちる、映画のようなめまぐるしいシーン。でも、綾辻小説にこんな結末は期待していないね、わたしは。

なにより、犯人の最後をきれいに終えようとする予定調和てきな発想がきにいらないね。

とまぁ、文句はつけられるが、最後まできになって読みきったのだから、それなりともいえるね。

忍耐・不妊

聖女の救済

聖女の救済

最近の作品は、とくに洗練され、ひねりがあり、読みやすい。

でも、優等生的すぎて、あくがない。
本書もそうだ。

ガリレオシリーズのキャラクターもそうだが、わかりやすい。しかし深みがない。

推理小説にそこまで求めるか、と割り切れればよいのだが、『秘密』好きな私には少々納得がいかないが、どうだろうか。

スペインの内戦を舞台にした小説

フリアン・カラックスという著者の影を追い求める少年の物語。
映像がめにうかぶ描写は映画をみているようでした。

風の影  上 (集英社文庫)

風の影 上 (集英社文庫)

風の影  下 (集英社文庫)

風の影 下 (集英社文庫)

乱読

「漢字廃止」で韓国に何が起きたか

「漢字廃止」で韓国に何が起きたか

ハングルだけになり、漢字が廃止された韓国の現状を知る。
ほかの本でも、はたして同様の指摘があるのかどうか、たしかめてみたい。

残虐記 (新潮文庫)

残虐記 (新潮文庫)

小学生のときに誘拐された体験を小説につづる。

新宗教ビジネス (講談社BIZ)

新宗教ビジネス (講談社BIZ)

創価学会などの新興宗教がどのように資金を運営しているのか、公平な眼で指摘する。この本によれば、創価学会の資本は世間で言われているような資産をもっていないとのこと。

かつどん協議会 (集英社文庫)

かつどん協議会 (集英社文庫)

カツどん復興に、肉、お米、たまごなど、各業界のエゴがぶつかりあう。
冒頭のカツどんの描写はかなりうまそー。

ミュージカル映画にストーリーはいらんな

かねてからミュージカル映画が好きだった。なんでだろう、と考えたが、単純に音楽と映画が好きだったということに気づいた。

本日初日のマンマ・ミーアをみた。ゆきおと一緒に会社を休んで日中にいったわけだが、昼間にもかかわらず結構埋まっていたのには驚いたね。おまえら、働け、と心の中でそっと毒づく。

ミュージカルのマンマ・ミーアを映画化したのが本作品だが、出来としてはミュージカルでみたほうがよかったな。なんでだろう。
ひとつには、「歌が稚拙」。準主役の娘役は、すげー高音のきれいな、キュートな歌声で、「ハニー・ハニー」なんぞ歌って最高!だったが、主役の母親役のメリル・ストリープあじのある感じでは合ったけどね。ここまでは、まあゆるそう。
ほかのキャストの歌に迫力が感じられなかったなぁ。とくに3人の「父親役」の一人、ピアーズ・ブロスナンにいたっては、まるで晩年のビーチボーイズのブライアンのよう。薬でのどつぶしたのかよ!みたいな。
映画はまぁ楽しめたけどね。ストーリらしいストーリははっきりいってない。
そもそもミュージカル映画には最後はハッピー、どんでんがえしなしみたいな、単純明快な筋が似合うのだろうな。

映画後、洋服もかってしもうたぜ。うふ。
ラーメンは「立川や」だっけ。味はとんこつとかつおだしの二つから選べる。かつおだしはほんとにかつおだしがよく利いているが、しっかしほかに味がしない。もうすこし、とんこつとか、鶏がらをまぜてもいいんじゃない?めんはうまいよ。

そうそう、食後はクリスピードーナッツも。あいかわらず並んでるよね。いろいろメニューあるけど、ぜったいプレーンが一番うまい。っていうか、プレーン以外の、そんなにうまいのあんのかなぁ。

死刑、冤罪をテーマにしたミステリ

13階段

13階段

日本はいわゆる先進国のなかで死刑制度が残っている数少ない国だそうです。
歴史を紐解いてみると、平安時代の345年間ものあいだ、日本では死刑制度はあったものの、死刑は一度も実施されませんでした。
これは世界史的にも稀有なことです。

本書は、死刑を克明に取材し、死刑制度の問題点をあぶりだしながら、死刑囚の恐怖、心情を描き出しています。
本書の大きなもうひとつのテーマは冤罪。
死刑とはついになって常に議論のあるところですが、死刑制度がなぜ必要なのか、考えさせられるように思います。
本書に死刑があっても殺人の抑止力にはならない、という考えが示されていましたが、私自身も同感で、死刑制度はどちらかというとないほうがよいように思います。

昨今は裁判官制度もスタートしつつあります。
今後死刑制度はさらに重要な議論を呼ぶでしょう。

谷崎の文章読本の文章がうまいのはわかった

文章読本 (中公文庫)

文章読本 (中公文庫)

最近マイブームの、文章上手になろう!というテーマで手にした本。
しっかし役に立たないなぁ。けど、文章は上手。
この手の本で文章がへたくそだったら、それはそれでおもしろいけどね。