推理小説という推理小説

推理小説 (河出文庫)

推理小説 (河出文庫)

帯に篠原涼子の写真があることから、ドラマに疎いわたしでも映像化されたことがわかる。
なんと、原作者はデビュー作。でもドラマの脚本家としてはすでに活躍している人のようだ。

傑作推理小説をえがくために実際の殺人を犯していく。「犯人に告ぐ」にちょっと似た形式の、マスコミを巻き込んだセンセーショナルな報道でもって設定をあおる。

実際の事件でもそうだが、事件を大きく肥大化させてしまうのは良くも悪くもマスコミ。実態を踏まえてしまうと、小説の中でのマスコミの扱いは大きくなるのは致し方ないといえばそうだが、どうも安易な感じがする。

展開そのものでは持たないから、むりに背景でクライマックスを演出してしまっているのでは?

まさしくドラマチックではあるが、再読には値しない作品でしたね。残念。

ところで、近所のブックセンター伊藤で100円で購入したが、刊行2年ですでに64刷。大ベストセラーなのか、はたまた発行者の河出書房新社の増刷部数が少ないのか。たぶん後者でしょう。