ひとりでここまでするかいな

ひとり出版社「岩田書院」の舞台裏 2003~2008

ひとり出版社「岩田書院」の舞台裏 2003~2008

人文系学術出版社、岩田書院社長がDMに書き記した「裏だより」の2003から2008まで。

DMで毎月毎月楽しみにしているので、すべて「初出」で読んでいる。
しかし、本という形でまとまると、また違った形で読めるのはなんとも不思議だ。

雑誌の初出→単行本 というのはいたってふつうの出版形態だが、書籍のよさを改めて実感した。

ところで、本書はあくまで「裏だより」を発表順にまとめたものだから、内容もそのときどき。

「未払い金が1000万円ある」など、岩田社長得意の暴露ネタ炸裂。意外と同業者は発行部数すら内緒にするという閉鎖的というか、情報を提供したがらないのが出版界。

それとは真逆。なのが岩田書院である。だからおもしろい。


たとえば、「収支決算」。これはすごい。
これまた暴露ネタなわけだが、たとえば1冊あたりの制作費と売り上げが書かれている。この内訳から、岩田書院の印刷所への支払金額が見えたりもする。
暴露ネタである。

一つ提案。
これをテキストとして、じゃぁ、出版社ではなにができるのか、テキストになるのではないか。たんなる「おもしろい」ではすまされない、すんごいことができそう。

出版人必読書だ。